日本料理のマナーについて解説

料理を食べるときのマナーはそれぞれの国の料理に存在し、慣れないことで恥をかくこともあります。恥ずかしいからかしこまった席での料理は苦手という人も多いのですが、覚えてしまえば難しいことなんてないのです。日本料理、特に懐石料理はマナーが難しいと思っている方もいますが、きちんと学べば恥ずかしい思いをすることもなくなります。

和室の食事は和室の作法を覚えれば大丈夫

懐石料理を食べる時に和室の個室でいただくこともあり、入室して座布団に座るということに関しても作法があります。入室する前に襖の前に正座し、引手に近い手を襖にかけて5㎝程開いてから反対の手で「体が通るくらい」開けます。両手をついて会釈をしてから一旦立ち上がり、下座方向の足から入室、その際敷居・畳のヘリを踏まないようにまたいで入ります。

入室して襖の方に向き直り正座し、襖に近いほうの手で襖のへりをもって体の半分くらいのところまで閉め、反対の手で持ち替えて引手に手をかけて閉めます。襖をそのまま一気に占めるのはマナー違反となるので、ゆっくりと焦らず行いましょう。

座布団に座る・降りるときにもマナーがある

座布団の下座に正座してから手をついて体をねじるようにしてまず膝を座布団に乗せ、腕で体を保持しながら膝行(膝を動かしながら)座布団に上がり中央部分に正座します。座布団から降りるときには「上座」方向から手を後ろにつくようにして膝行で座布団から少しずつ足を外し、両足が座布団から外れてからかかとに体重をかけます。手を体の横につきながら体をねじって正面を向きます。

お箸・おしぼりのマナー

お箸を使うときには右手でお箸の真ん中あたりを持ち、左手で下から支えるようにして右手をお箸の右端のほうに滑らせ右手を返し、お箸の1/3位のところを指先で持ちます。左手を外してお箸を使います。お椀を持つときなどはお箸をもってお椀をとるのではなく、お箸を箸置きに置いている状態でお椀を両手でとり、右手でお箸をとって左手の指で挟んで右手を返し左手を外します。

おしぼりは「手以外」に利用しない

おしぼりは手をふくものなので手以外に利用しないことがマナーとなります。右手でおしぼりをとったら左手に持ち替えて丁寧に両手をふき、吹いた部分を内側にしてたたんで戻す、これがおしぼりの作法です。顔や口をふいたりテーブルの汚れをぬぐうことはマナー違反となるので、顔はふかない・口は懐紙でふく・テーブルはお店の方にお願いしてふいてもらうようにしましょう。

まとめ
和室への入室も、お箸やおしぼりの使い方もちょっと複雑に感じますが、覚えてしまえば大丈夫です。懐石料理を初めていただくときには経験者の方にどのように食べればいいか教えてくださいと言っておきましょう。誰でも初めての経験がありますし、経験の中で覚えればいいのです。